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マルボロ
買い出しのついでに煙草を買って来いと言ったのは自分だった。 「ただいまー」 八戒と一緒に出掛けた悟空が大声を上げて部屋に入ってくる。 「ハイ、これ」 そしていつもの赤いパッケージをテーブルに置いた。 「・・・ああ」 袂に入っているマルボロは残り一本だった。 新聞の活字の列から目を離さずに一瞬だけテーブルの上のマルボロの位置を確認して手を伸ばすと、 箱に手が届く前に悟空はもう一度何かをテーブルに押し出す素振りをした。 もう一箱買って来たのか・・・と思い今度は新聞から完全に視線を外して卓上を見遣る。 買い忘れたのならただではおかないが多い分にはどうせ何時か吸うのだから構わない。そう思ったのだが。 「・・・・・・」 悟空が手にしているのは確かにマルボロだった。ボックスタイプで金色のパッケージだったが。 ライトだ。買い間違えたのか矢張りサルだ。 「・・・俺は吸わねえぞ」 そう言っても悟空は謝りもせず文句も言わず未だこちらを凝っと見ていた。 「・・・何だ」 「・・・何で」 「ああ?」 何ではこっちの台詞だろうが。 「さっき煙草買いに行ったら三蔵のいつも吸ってるヤツ自販機に無かったから煙草屋に行ったんだ。 そんでマルボロくれって言ったら店のおばちゃんが「どれだい」って。・・・色々あるんだな」 「それがどうした」 驚いたように目を丸くして報告する悟空に即答する。 だからいつも間違えねえようわざわざ言ってんだろうが「マルボロ赤ソフト」だって。 似ても似つかねえボックスタイプで金のヤツなんぞ買ってきやがった言い訳がソレか。 そう思っていると「コレは間違えて買った訳じゃなくって、」と慌てたように悟空が早口で言った。 「ああ?」 「箱がきらきらしていたからどうしても買いたくって」 「・・・・・・」 光もんが好きだなんてお前は烏か。どうしても、じゃねえだろう。大体八戒のヤツはどうしてサルを止めなかったんだ。 ちらと荷物の整頓をしている八戒の方を睨むと何を考えているんだか八戒は笑顔を返しやがった。 駄目だ。話にならない。 「何で三蔵はいつも赤いの吸ってるんだ?」 「俺の勝手だ」 マイペースに話を続けるサルにそう答えると悟空は不思議そうに首を傾げる。 「だってさ、金色の方が絶対イイじゃん」 良くねえ。 「別に金が当たりで赤が外れって訳じゃねえよ」 「三蔵様気のせいでしょうか今「ハズレ」ってとこだけ声大きくありませんでしたか・・・」 「気の所為だ」 部屋の片隅から赤い触覚の生えた生き物が何か言うがそう答え、袂からマルボロ(赤ソフト)を取り出して火を灯した。 ○ョコボールの「金のエンゼル」「銀のエンゼル」のノリで。ライトもソフトケースあるんですが滅多に見ません。 一応53です。 33題 |