everblue
コトの終わった後シャワーを浴びようと床に脚を降ろす三蔵の膝がかくんと力の抜けたように傾ぐ事が無くなった頃悟浄は初めて夜の寺院を訪れた。
大きな丸い月に照らされ地面に影を落としながら歩く悟浄の右手に提げたビニル袋の中には寺院では禁じられている筈のビールが数本。
苦も無く塀を飛び越えた後閉ざされた窓硝子に小石を投げ付ける事数回、
開かれた窓と共に不審そうな表情で顔を出した三蔵に悟浄はビニル袋をかざして見せた。
「月の良い晩だし、飲もう?」
青い月明かりに輝く金糸の持ち主を見上げながら銜え煙草で告げる悟浄に、三蔵は窓を閉ざす事なく室内に導き入れた。
「カンパーイ」
そう言って袋から取り出したビールのプルタブを引き開けるとじょわじょわと泡が吹き出て幾枚かの書類を巻き添えに机の表面を濡らした。
「このアホが・・・っ!」
そう言って怒る三蔵の声は然し常よりも控え目で夜の静寂を破らないよう気を付けているのだと分かる。
ああ、分かってるんだ、アンタも。これが人目憚るような密会だって事に。
悟浄は三蔵のビールで濡れた指先に手を伸ばす。
「あ・・・っ、ダメ、だっ」
畳ベッドと言うヤツだろうか、背骨の曲がる事もなさそうな固い寝台。
その固い寝台の上に躯を押し付けながら三蔵の法衣の裾を割り開き脚を跨いで悟浄は膝を乗り上げる。
「ダメって言われるとイケナイ事してる感じがするね」
口の端を上げてそう告げる悟浄に三蔵は一瞬微かな抵抗を止める。
「すげーソソられる」
そう言って悟浄は三蔵の胸元に手を這わせる。
「ん・・・っ」
「もう固くなってる」
分かる?と訊ねて衣擦れの音と共に悟浄は三蔵の腰帯を引き抜く。
ジーンズの上から太股を撫でさすられるのに三蔵が微かに痙攣したように脚を震わせる。
アンダーシャツを捲り上げ三蔵の平らな腹部に口付けながら悟浄は三蔵の性器には指一本触れない。
「ごじょう・・・っ」
「イヤなら本気で抵抗して?」
長い指で固くなった三蔵の乳首を押し潰し唇の間から差し出した舌で臍の周りを舐めながら悟浄は待っている。三蔵の言葉を。
堪えきれなくなってお前と抱き合いたいとその高貴な唇が懇願の言葉を紡ぎ出すのを。
「ダメだ」
寝台の上で躯を強張らせながら三蔵が腕を持ち上げ悟浄の髪に指を差し入れその体躯を押し退けようとする。
耳に聞こえて来た再度の拒絶の言葉に悟浄はしつこく胸を弄くっていた指を三蔵のジーンズに伸ばす。
かちりと爪先が金属に当たり立てる音が三蔵の耳に届く。
「明かり、消そうか?」
腹の上に顔を載せた侭視線だけを上向け自分を見つめる赤い瞳に三蔵が力を抜いてこくりと顎を上下させる。
自身の希んだ言葉は与えられずとも。
それは精一杯の三蔵の誘惑だと悟浄は知っている。
これは珍しくタイトルが先に決まってました。書き終わってタイトル決まらなくてずっとアップ出来なくて
「そろそろアップしようよ・・・」と自分にハッパかけて更に3日位経過しちゃうのが常です。