ever,every
暖かい腕に抱き竦められるのを待っている自分がいる。
雨のように降り注ぐ柔らかい口付けを待っている自分がいる。
寺を訪って来ない時の悟浄が誰と過ごしているのかは、知らない。
そんな事、考えたくもない。
「ヨ。久し振りィ」
そんな事を言って悟浄が窓から顔を出すのをひたすら待ち続ける。
二人きりの夜が来れば早く寝台に押し倒して欲しくて、でもそんな事を望んでいると知られたくなくて。
待ち望んでいた腕に期待していた通り膚を晒け出され、他の誰にも見せた事がないような場所を暴かれて。
早く悟浄に触れて欲しくて、早く悟浄に挿入て欲しくて、それなのに唇は勝手に「いやだ」と紡ぎ出す。
固く熱い楔に貫かれて甘い快楽に全身痺れているのに何故か唇だけが「やめろ」と無情な言葉を零す。
こんな言葉を言いたい訳ではないのに。
震える腕で縋り付いているクセに「イヤだ」とココロとは反対の言葉を絶えず零す、自分のものとは思えない唇。
「・・・・・・悟浄?」
怒張したソレで後口を限界まで広げて押し入った侭悟浄が不意に動きを止める。安っぽい逢い引き宿の寝台の上。
俺達がこんな風に脚を広げあうのは、互いの生活に踏み入る事のない、こうした宿だった。
「・・・辛い?」
今更そんな事を確かめたがるなんて、とんだ阿呆だ。
「へ・・・、きなワケねえだろ、こんな事」
必死に荒い息の下で言葉を吐き出す。
「ん・・・ゴメン」
そう言いながら悟浄がゆるりと腰を動かす。
言ってる事とやってる事が違うだろ。
そう思いながらも自分の中から抜け出そうになるまで引かれたソレに、
体内を犯していた熱がなくなる事を押し留めるかのように勝手に収縮する場所。
「は・・・・・・っ、ア・・・」
再度ゆっくり押し入って来る悟浄の肉塊。
熱い塊が体内に押し入って来る事を悦ぶかのように悟浄を迎え入れる俺の、秘部。
「ちょ・・・、キツいって」
ほら、力抜いて、言いながら悟浄が胸に軽く歯を立てる。
生温い悟浄の舌。悟浄の唾液。
耳を犯す荒い、息。
「あ・・・」
びくんと背を反らすと悟浄は乳首をきつく吸い上げた侭腰を引き、そしてゆるりとした挿入が数度繰り返される。
気持ち良い。
何時までもこうして俺に欲情しているお前の肉体を感じていたい。お前に欲しがられているのだと信じていたい。
ひくひくと悟浄自身を締め付ける内壁に、そんな圧迫にも負けず深くまで押し拓いて来る、熱の塊。
俺の足の間に手を突っ込み俺自身を扱き上げる悟浄の熱を孕んだ長い指。
くちゅり、と濡れた音がするのは悟浄の指の触れている場所からか、
繋がっている場所からなのか朦朧とした意識では既に分からない。
だが、悟浄は永遠に続くかに思えたこの交わりを終わりにすべく唐突に、乱暴に腰を蠢かす。
「あ・・・っ、やだ・・・、や・・・・・・っ、悟浄っ」
先程までのゆったりとした動きとはうって変わった激しい出し入れ。
悟浄を独占していられる時間の終わりに、俺は慌てる。
まだ、離れたくなんかない。
精液を吐き出し終わったら悟浄は俺から離れてしまうのに。
「イ・・・、やだ・・・っ、やめろっ」
俺の制止の声を聞かず、悟浄は激しく腰を振る。
俺の中から抜け出そうになる程腰を引いたかと思うと次の瞬間には深く深く押し入って。
気持ち良い気持ち良い。
お前の熱を迎え入れ、莫迦みたいに喘ぐ事は本当は苦痛ではない。
離れたくない。
ずっとこうしていたい。
乱暴に皮膚が擦られる感覚に性感は勝手に高められる。
「あ・・・・・・っ、出、る・・・っ、さんぞ・・・っ」
「ダ、メだ・・・・・・っ、ア、アっ!」
ぐ、と一際奥を突いた後体内にブチ撒けられる熱い迸りに、俺自身も堪えきれず吹き出す液体で悟浄を汚す。
この行為が終わってしまったらまた、悟浄は誰とも知れない女の元へ行くと知っているのに。
ぱたぱたと腹の上に降って来る不快な体液。