New Year
年末から実家の寺に帰っていた三蔵がこのマンションに戻って来たのはほんの数時間前のこと。
本当は初詣がてらその結構な名刹であるとか言う寺に赴こうかとも思いもしたが、行っても手伝える事があるでもなし。 それに顔見て抱きたくなっても何時悟空やあの朱泱とか言う人が部屋にやって来ないとも限らないし。
寺に様子を見に行くのは諦めて、メールで連絡を取り合っていた三蔵が帰宅したのを確認してから約束を取り付けた。 これから行っても良い?と。サプライズとばかりに帰宅したばかりの三蔵宅に強引に押し掛けるのではなく、 ちゃんと都合を聞いてから出掛ける至極常識的な、言ってしまえば保守的な態度に俺も年取ったもんだと思いもするが、 だって押し掛けて迷惑がられて嫌われたくはない。
それ位好きだし、それ位大切に思っている、三蔵の事は。
なのに、当の三蔵は。
「煮物、貰って来たけど喰うか?」
「あ?飯喰ったばっかだから良いや。コレ、三蔵が作ったの?」
「自分で作ったモンなんかわざわざ持って帰って来るか。手伝いの人が作ってくれたヤツだ」
「ふうん」
俺はあまり自分の家が好きではないので今年は実家には帰らなかった。 改まったお節なんぞ買う事もせず、いつも通りのコンビニ飯で腹が膨れていた。
一見無愛想で取っつきにくい三蔵だが、 案外実家のご近所さん達とは上手くやっているようでこんな時に居場所がないのは俺だけのような気がしてしまう。
ここ数日と言うものメールだって俺が送ったものに対しての返事ばっかで三蔵から先には送って来てくれなかったし。
・・・ちぇ。





「もっと腰上げて・・・そうそう、そんで脚広げて」
俺の注文に、「こうか?」と言いこそしないが問い掛けるようにおずおずと三蔵が従う。
「うん、そう」
僅かに肩越しに振り返ろうとしているのは分かっていたが、 三蔵が頚を巡らす前に指で散々馴らした場所に背後から硬く張り詰めた凶器を突き立てる。
「ふ・・・っ」
「あ、あ、すげーヨク締まる・・・」
そのキツさに、クリスマスデート以来の三蔵が浮気をしていなかったようだと安心する。
俺?俺は勿論自分でヌキたくなるのをずっと堪えていた。適当なオンナだってひっかけていない。
だってそこらのナンパで簡単に引っかかるオンナより三蔵の方がずっとスタイルだって良いし美人だし色っぽいし、 何より名前も聞く事なく別れる相手より三蔵の方がずっと好きだし。


その、大切な筈の人を一糸纏わぬ姿にひん剥いて、繋がっている部分だけでなく全身で三蔵の事を感じ取る。
「正月太りって言うけど、アンタ全然太らねえな」
腰を規則正しく動かす間に腰と、それから腹もこっそり触ってそんな事を言ってみる。
「年末、から忙しかったから、な・・・、あああっ!」
最後の悲鳴は俺が一際深く突き入れた所為。
「参拝、客が、す、くなく、なってきて、落ち、着い、た、から」
健気にもはち切れそうなモノを弄くられながらも切れ切れに三蔵が答える。妙に律儀でそんな所が凄く可笑しい。
「帰って・・・、ひ・・・、アアッ!」
「ん。分かった」
覆い被さり、肩口に小さく口付けてから責め立てる。
しなやかな背中が反り返るのに、腰を掴んで引き寄せる。
繰り返し三蔵の内壁を擦ろうとする俺のモノを、離さないとばかりに締め付けられ互いに絶頂が近い事を悟る。 繋がった場所から聞こえていた湿った音も、段々俺の耳に届かなくなる。
互いの、荒い息。
腰を前後に動かしながら、告げる。
「イって良いぜ」
「は・・・、あ、ああ・・・っ!」
「く・・・っ!」
同時に、との密やかな俺の願いは叶わず、三蔵の精液がシーツに吐き出されて僅か後に俺も三蔵の中に放った。



へたり、とベッドの上に膝を着いた侭三蔵の上半身がシーツの上に崩れ落ちる。
「すげーヨかった・・・会わない間寂しかったりした?」
「・・・バカか」
顔も上げない侭即答された。
「じゃ、会わない間俺の事考えたりした?」
今度は僅かに三蔵は頸を巡らす。
物言わぬ三蔵の目元が赤く染まっているのに、漸く俺は疎外感を忘れる。
さびしんぼうごじょりん。

novel−パラレル