ever wild
悟浄と言うヤツは大概身勝手な男だと思う。
偶然を装って触れる指の熱さ。咎めるように睨み上げれば素知らぬ顔をしてあらぬ処を見遣る。
いかがわしい宿に向かい歩いている時懐くように気紛れに肩を抱いて来る事もあるが、 道の端に他の人間の姿を発見するとたまたま同じ道を歩いているだけの他人であるかのようにぱっと離れる。
そして「宿」に着けば「どの部屋にする?」と訊ねる事もなく勝手に部屋を選んでボタンを押す。





「ホント、いやらしい身体」
そう言って悟浄が指を出し入れする。
「ア、アアッ!」
「俺以外のヤツとこんな事しないよな?」
「あ・・・?」
唐突に発された問いを一瞬遅れて耳が拾い上げ、途端、俺の内部を嬲る指の動きが激しくなる。
「俺以外のヤツに誘われてもこんな事しないよね?」
「アアアっ!」
「言って」
「は・・・、ヤ・・・あ、ん」
「言ってよ。俺以外のヤツとはしないって」
俺の返答を待つ間だけ指の動きが緩やかになる。
何でいきなりこいつはこんな事を言ってるんだ、真意を確認しようと悟浄の瞳を覗き込む。
「・・・・・・」
欲望のたぎった、「男」そのものの瞳に、思わず言葉を失う。
俺の沈黙をどう受け取ったのか再度悟浄ががくがくと指を激しく突き込む。
「あ・・・っ、あ・・・!」
乱暴なその指の動きが痛い。 そう言いたいのだが感じる処だけを狙い澄まして擦り上げて来る指に自分のものとは思えないような高い喘ぎ声しか発する事が出来ない。
「返事しないと挿れてやらないぜ」
そう言う悟浄の額にも頬にも汗が流れていて。
『舐めて』と言われた時既に半ば勃ち上がっていたソレを言われる侭口内に導き入れ唇で押し潰したり吸い上げたりしたのは結構前の事だったから、 そんな余裕ぶった事を言ってる悟浄の方こそ本当はもう我慢出来なくなっているだろうに。 こんな半端で放り出すなんててめえの方こそ出来ないクセに、そう思ったが面倒くさかったので悟浄の望む言葉を与える。
「し・・・、ない」
「本当?」
顔を寄せて来る悟浄の瞳を見ない侭にこくこくと無言で頷く。 ソレを言うなら夜毎日毎に女を取っ替え引っ替えして遊んでるのはてめえの方じゃねえか、 口先ではこうした時だけは「お前だけだよ」だの何だの調子の良い台詞を吐きはするが。
俺は悟浄の事を信じていないし、悟浄もまた、男にこうして脚を開いた俺の事を信じてはいない。 こうして、貞節を確かめる振りをするのもただの気持ち良くなる為の遊びの一環に過ぎない。口元に浮かんだ嘲笑を隠す為に口付ける。
小さく啄むように口付けを繰り返しているうちに脚の間から漸く抜き取られる指の感触。
「挿れる、ぜ・・・」
そう言って悟浄が手早くゴムを装着する。
脚を抱え上げ、入れる場所を確かめるように悟浄の先端が宛われたかと思うと一息に悟浄自身が内部に入り込んで来る。
どうやらソレには潤滑剤か何かが塗布してあるらしく、 ゴムを使うと挿入がスムーズで、つまりお決まりの痛みが少ないし、終わった後もラクで良い。 いっそ、いつも使って欲しい位だがそれを使うかどうかの決定権は悟浄にある。腹の立つ事に。
「三蔵・・・」
「ん・・・・・・」
「あ・・・、あ、すげー・・・やらしい身体」
荒く息を吐いていた悟浄が幾度か出入りを繰り返し、突然激しく小刻みに悟浄は腰を使い出す。
「イッてイイぜ・・・」
てめえじゃあるまいしそんなに早くイけるか、バカ。
「や・・・、あっ!」
「・・・・・・っ!」
悟浄が動きを止めたので、恐らく達したのだろうと推測する。
早いだろうが。
余裕ぶって「挿れてやらないぜ」なんて言ってるからだこの早漏。
呆れて力を抜く。
「三蔵・・・あんたまだイッてないんだな」
だから、「まだ」じゃなくてめえが早かったんだ。
あっさりと引き抜いて身体を離した悟浄が、俺の隣に横たわり額に口付ける。バカみたいに優しい仕草。
「イッて」
そう言って俺の性器に指を伸ばして擦り上げ始める。
「や・・・っ」
びくりと跳ね上がる身体と、腕。そして俺の腕を取って悟浄は自らの方へ引き寄せる。
「俺の、触って」
ゴムを外しただけでまだ拭いてもいない、ぐっしょりと濡れたものへと指を無理遣り押し付けられる。
「あ・・・もっと強く」
力のないそれを指で適当に弄んでやると上擦った声で強請られる。
何処まで図々しいんだ、てめえは。
お久し振りですの「ever〜」シリーズ。

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