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「あーあ、すっかり遅くなっちまったな」 「てめえが傘の一つも持ってないからだ」 「傘がないのはさんちゃん先輩も一緒だったっしょ!それにあんなに雷鳴ってんのに傘差したら却って危ないっつうの」 地面には未だ大きな水溜り。ばしゃばしゃと水しぶきを上げながら駅への近道を急ぐ。 なるべく水溜りを避けながら歩いているつもりだが、既に日が落ち薄暗い中何度も水の中に脚を突っ込んでしまい、 ズボンの裾がじんわりイヤな感じに湿って来ているのを感じざるを得ない。 一体何の為に雨宿りをしていたのだか。 「あ・・・、そうだ」 地元の人間しか参詣しない、だからこんな抜け道のような細い通りに在る訳だが、小ぢんまりした神社の前を通りかかると、悟浄は歩く速度を落として顔を上げた。 つられ、道路に面して立っている赤の大鳥居を見上げる。 「こないだ、ここの鳥居のとこにでっかい注連縄がかかってたんだけど、もうねえな」 「ああ、茅の輪くぐりか」 それは注連縄じゃねえだろう、そう思ったが取り敢えず口を開いた。 「火の輪くぐり?」 「違う!」 結構大きくなるまで「火の輪くぐり」だと思ってました。何処に火の輪があるんだろう、と不思議には思いましたが・・・。 お題ページ |