「朝の高架下」で登場人物が「見つめ合う」、「ビール」という単語を使ったお話を考えて下さい。






高架下へと至る河川敷、それが三蔵(+三蔵の飼い犬)の散歩コースで、且つ調教、もとい駄犬の躾コースである。


「伏せ」
「待て」
俺の言う事なんかちっとも聞かず、行儀悪くポイ捨てされたビールの空き缶に構い続ける耳の垂れた犬。
急な出張だと言う飼い主から預かっているだけの、飼い主ではない俺でさえ気まずく恥ずかしく感じないでもない瞬間。
なのに、不思議な事にそんな残念な犬でさえ三蔵の命令には素直に従う。 否、最初は反抗してみせたりもするがものの数日でまるで元より三蔵の飼い犬であったかのような忠犬へと変身する。
三蔵の命令を聞きもしなかった頃は三蔵が何か言っても他に気を取られ余所見ばかりしている犬が、 最後には三蔵の視線が自分に向いていると言うだけで、三蔵の命令を期待を込めて待つかのようにつぶらな瞳で三蔵を見つめ続ける。
見つめ合ってんのが人間同士だったら今頃恋の一つや二つ生まれてる頃だろう。
でも、なんつうか、行き過ぎじゃねえの?
そりゃあんたの技量は確かに凄いと思うよ、でもこれじゃまるで
「『お前は俺の忠実な僕だ』っつうカンジ・・・?」

ジーンズのポケットに指を引っ掛けて所在なく突っ立っている俺のそんな呟きは三蔵にも二頭の犬にも丸っきり無視される。
なんだか凄く空しい。






ドッグトレーナー三蔵&悟浄さんの日常の一コマ。



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