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犬の散歩は大抵の人は朝と夕方の二回行く。 当然俺も具合の悪い三蔵に代わりかの人の飼い犬を夕方の散歩に連れ出すべくその日二度目の三蔵宅訪問を敢行した。 「ちゃんと食ってるか?なんか欲しいもんあったらついでに買って来るけど」 多分俺が家に行く直前まで寝ていたのだろう、若干髪が乱れた三蔵が門の所まで出て来るのにそう尋ねたが、 「いや、良い。買い置きで何とかなってる」 と素っ気なくあしらわれた。 日の暮れるのが早い時期だけあって、河川敷のグラウンドを見下ろせる場所にやって来た頃には辺りは随分暗くなっていた。 健全な草野球チームはとっくに後片付けを済ませ、後は解散するばかりだ。 ぷらぷらと散歩を続けていると、買い物袋を提げて帰宅を急ぐ仕事帰りらしきお姉様方数人とすれ違った。 食材を詰め込んだと思しき買い物袋を提げて道を急ぐ姿を見て、ふと思った。 もしかしてあの中の誰かが実は三蔵の彼女なのではないかと。 犬の散歩は頼めないけれど、仕事帰りに看病してくれるような関係と言うのは、あり得なくはない。 つうか、人に犬の散歩を頼むまでに弱っているクセに心配事項は犬の事だけと言うのは身の回りの世話(犬以外)をしてくれる人間がいるとしか思えないだろうと、 今更ながらに気付く。 「ああ、そっか・・・」 思わず独りごちてみて、自分が案外ショックを受けている事に驚いた。 犬に引きずられるように重い足取りで散歩から戻ると、再び三蔵が玄関横で待っていた。 そうだ、さりげなく恋人の存在を聞き出せば良い、そう思ったのだが 「買い物して来なかったけど、本当に大丈夫か?もしかしてこれから彼女がメシ作りに来てくれたり?」 実際は全くさりげなくない台詞しか出て来なかった。 「そんなのいねえよ」 犬のリードを受け取り、俺に背中を向けながら三蔵が呟く。 「あ、そう?」 俺の声は今度こそさりげなく聞こえていたろうか。おかしな具合に上ずったりしてはいなかっただろうか。 本当は既に両思いなのに!! お題ページ |