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三蔵は毎日同じような時間帯に犬の散歩をしている。 同じ時間、同じコースの散歩だ、近い時間帯に同じ辺りで犬の散歩をしている数人とは既に顔見知りになっている。 最近は、その顔見知りの一人に派手な赤毛の男が増えた。 「よ、」 そう言って河川敷の遊歩道でばったり行き会った赤毛は、今朝は犬を連れていなかった。 最近この赤毛は犬を連れていない時も早朝散歩に来ている。 ウォーキング人気は一向に下火にならない、どころかこんな若い男にまでブームが広がっているのかと三蔵は感心する。 ・・・まあ、靴だけありゃあ出来るから財布に優しいしな。 と思っていると何故か赤毛はその侭行き違いはせずに、くるりと方向転換してその侭三蔵と並んで歩き始める。 毎度不思議に思いはするのだが、すぐに悟浄が前夜のスポーツの話などを始めるのでいつも三蔵は疑問を口にするタイミングを失ってしまう。 「ははっ、くすぐってー」 気が付いたら飼い犬が悟浄の脚に体を擦り付けるようにしながらぐるぐると回っている。 「こら、」 叱り付けようとすると笑いながら悟浄が口を挟む。 「良いって、俺の方が遊んで貰ってんだから」 悟浄の笑顔は犬のそれに良く似ていると三蔵は思う。 頭を撫でてやりたくなるようなそれだ。 「所であんた、一人暮らしなんだろ?今まで風邪ひいた時とかどうしてたんだ、コイツ」 頭を撫でてやりたいと思われていたとも知らず、当の悟浄がしゃがみ込んで犬の頭をぐりぐりと撫でる。 「近所にババ・・・いや、親戚が住んでいる。いつもはそいつに頼むんだが先日は旅行中で」 「ふうん」 尤もあのババアに犬の散歩など頼もうものなら「貸し一つだぞ」だのなんだの言われて後々面倒な事になるのだ、過去の数々の出来事を思い出し三蔵は渋面を作る。 悟浄がいて良かった、こちらに背を向けて相変わらず犬の頭をわしわしと撫でている悟浄の頭を三蔵はわしわしと撫でた。 お題ページ |