「夜のソファ」で登場人物が「幸福になる」、「罠」という単語を使ったお話を考えて下さい。






飯を食いながら大体は酒を飲んで、時折飯の後TVなんかを見てるうちにソファでうとうとする事がある。
アルコールを伴った浅い眠りの所為だか知らないが、時折気持ちが波立つような楽しくはない、はっきり言って不幸で不快な夢を見る。
変に鈍いくせに鋭い所のある三蔵は、俺が不快な夢の所為で沈み込んでいるのにも当然の如く気付く。 気付いてはいてもいつもそ知らぬ振りをしてくれる。
いつものオレサマな態度が嘘のように。
否、嘘だ。三蔵が『オレサマ大好きナンバーワン!』な態度を取ってみせるのはあくまでポーズであって、 そうであって欲しいと言う周囲の期待に応えたと言うか、 周りがそう振舞って欲しいと思ってるならそう振舞った方が面倒がないだろうと察して先んじて行っていると言うか、 とにかくそんな感じのものである事が多い。
本当は、三蔵はそんなに自分ダイスキ!自分最優先!な鬱陶しいヤツなんかではない。 そういう意味ではそこらの自意識過剰なオンナの方がよっぽど面倒くさいし鬱陶しい。

そんな訳で三蔵がさりげなく俺を気遣ってくれていると察すると有難いと思う気持ちと同時に申し訳ないような気持ちになる。
俺なんかがこんな出来た恋人を独占して良いものだろうか。
俺なんかがこんなに幸福になって良いものだろうか。
これは何かの罠、或いは只の悪夢ではないだろうか、幸福の絶頂からどん底へ突き落とされる惨めな男の記録を面白がる為のドッキリかなんかで。
これがドッキリだとしたら、きっと誰かが途中で制止に入るだろう。
「はい、そこまでです」と。
そんな自虐的な事を思いながら何事もないような態度を取る三蔵の腕を引っ掴んで乱暴にソファへその痩身を押し付けて口付ける。
角度を変えて幾度も貪るように。
濡れた音を立てる口付けにも誰の制止も入る事もない。当たり前だ。
そんな事本当はとっくに分かっている。
自分の自虐癖が時折本気でイヤになる。






旅が終わった後、同居してる53。



お題ページ