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先日、思いがけない衝動と共に悟浄の頭をぐりぐりと撫でてしまった日以来気まずくて気恥ずかしくて悟浄の顔を見られないでいる。 と言うか顔を合わさないで済むよういつもより早い時間に起き出して飼い犬の散歩をしている。 早起き効果は覿面で、もうかれこれ一週間はあの赤頭を見ないで済んでいる。 早朝を河川敷に吹き渡る風は冷たく、悟浄の事を思い出して思わずほう、と漏れた息が白い。 元々悟浄自身は動物を飼っている訳でもなく、動物を預かった時しか散歩の必要は無い、当然だが。 しかもその時間もコースも特に決まったものではない、と言っていた。 だったらふとした気紛れで早朝ウォーキングを止める事があってもおかしくはないだろう。 この侭悟浄にはもう会う事もないのかも知れない、否、街中ですれ違う事くらいはあるかも知れないがその時は一体どんな顔をすれば良いのか。 「ヨ、」 突然声を掛けられる、つい今しがた「もう会う事もないかも知れない」と思っていた当人に。 「あんたそんな薄着してるとまた風邪ひくぞ」 そんな事を言っている当人だってさして厚着をしている訳でもないくせに。 「お前こそ、そんな薄着で」 悟浄の姿を認めた愛犬がリードを強く引っ張ってはしゃぎ出すのに、悟浄は自然な様子で犬の頭を撫でる。 千切れんばかりに尻尾を振る愛犬の後姿を愛くるしいと思い、 「バカは風邪ひかねえから大丈夫」 口の端をに、と笑みの形にする悟浄に、 思わず笑みがこぼれる。 最近は「犬」と言うお題が出ないのでもう続かない・・・ような気がします。 お題ページ |