|
結構な夜更かしをしていた筈の三蔵の方がどうやら先に起きているらしいと半分眠った頭でぼんやりと感知したのは、
洗面所の水音や廊下を歩く足音などの生活音ではなく、何やら甘ったるい匂いが鼻腔を刺激した所為だ。 甘い物がさほど得意な訳でもない悟浄は呼吸を浅くする事でその好きでもない匂いを回避しようと暫し無駄な努力を続けていたが、 逃避するだけでなく眠いなりに一応その匂いが何であるのかを解析していた。 そしてその結果無事その匂いの元が何であるのかを思い出し、ベッドに身を沈み込ませた侭瞼を開いた。 カロリー●イト(メイプル)だ。 以前は新しいフレーバーが発売されても頑なにひたすらにチーズ味を愛していた三蔵だが、 メイプル味が発売されてから三蔵が口にしているのは悟浄の見た所、 チーズ5:メイプル5程度の割合に変化しているようだった。 勿論それは悟浄の主観なので、実際はもう少し違っているのかも知れないし、 もう少しどころか2:8程度の割合であるのかも知れない。 然し元が100%チーズだったのであれば、これは既に浮気と言えるのではないか。 それともこれは二股なのか。 どの程度までが浮気でどの程度からが二股なのか。 1割か5割か、それとも5割を超えた時なのか。 アラームの鳴る前だったが布団を跳ね除け悟浄は起き出した。 着替えもせずリビングまで行ってみると、既にマフラーまで巻いて今すぐ家を出られそうな程に準備万端な姿の三蔵が、 然しその服装とは裏腹にソファに深く腰掛けながら液晶TVの画面に映し出される天気予報に見入りつつ新聞を広げつつテーブルの上に湯気の立つマグカップを乗せつつ、 カ●リーメイトを貪り食っていた。 三蔵の事を自分には勿体ない程の恋人だと、常日頃そう思っている悟浄が三蔵は案外自分と似たり寄ったりなのかも知れないと、そう思うのはこんな忙しい朝だ。 いつものパラレルの二人じゃないです。一緒に住んでますが桃源郷の二人でもない。 お題ページ |