「深夜の映画館」で登場人物が「寂しがる」、「ココア」という単語を使ったお話を考えて下さい。






仕事帰りに映画館に駆け込んでみた。座席指定も取らずに来たが全く問題なく空いていて、好きなように席を選べた。
俺の身長だとあまり混んでいる時は後ろの席の人間が画面を見るのに邪魔なんじゃないかと上映中ずっと背中を丸めていたり、 いっそ一番後ろの席に座ろうかと結構気を使うので空いているのは寧ろ歓迎だが、空いているのは不況の所為かレイトショーだからなのか。
上映前にポップコーンとビールを買って席に戻ると、誰かの飲んでいるであろうココアの甘ったるい匂いが流れて来た。 ポップコーンと超絶ミスマッチで、思わず場内を見回すがこんな時間に一人で映画館に来ている寂しい人間てのは結構いるもんだな、と認識を新たにするだけに終わった。
ココアの主探しは諦めてゆったりと座る。
手持ち無沙汰な時は何故か無性にポップコーンを貪り食いたくなる。



翌日、競馬場に行くのなら朝起きられなくなりそうなこんな時間に映画なんか見に来ない。 開始時間こそそれ程遅くはないが帰宅して風呂入って寝る頃には日付も変わっちまってるのは確実だし。
競馬はなるべく生で見たい、でも遠出するとなると体力的にも時間的にも電車賃的にも、 色々と負担がかかるから平場のレースを見るだけなら電車一本で行ける近場の競馬場をメインに出没する事に決めていた。
要するにこの時期、中山競馬場での開催もないしG1レースもないし土日の予定は全くのフリーだった。
レースっぷりを見といた方が良さそうな馬の出走するレースやメインレースはTVやWINSで観戦するが、 昼間の少しの時間を割くだけで全然足りるし。
明日の予定が埋まっていない事をつまらなく思いながらそろそろ佳境に差し掛かっているスクリーンを見るとはなしに眺める。
つまらないのは本当は、未だに用事が無くても会う事が出来ないかと言い出せずにいる人物の所為だ。 もう結構長い付き合いになるのに「メシ喰いに行こう」とかそんな風に気軽に、競馬と関係の無い用で呼び出して良いものなのかと、踏み込めずにいる。
用事なんか無くたって会いたいと思っているのに。


もやもやした気持ちを誤魔化す為に無心でもしゃもしゃとポップコーンを口に運ぶ。
ココアの甘い匂いは未だ消えない。






競馬パラレルの53。競馬パラレルはサ●エさんワールドのように世の中が移り変わって行っても二人は年取ってないイメージでしか話が浮かびません・・・。



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