eyes on me
俺は沙悟浄、目力キング。
・・・と言うのは嘘だけど少しは自慢したって良いだろう。
何たって俺のこの眼力ときたらあの堅物で最高僧で鬼畜生臭坊主の玄奘三蔵法師までオトした程なのだ。
エロ河童?そりゃ誉め言葉だよな?
オトしたって相手は男だろうって?
だから凄いんじゃねえの。
ソノ気のない男までソノ気にさせる俺様のこの魅力!みりきじゃねえぞみりょくだぜ?
このフェロモン!このちょーかっこ良さ!
ああ?どうやったかって?
そりゃこうだ、昼と言わず夜と言わず三蔵の姿が見える度にこう、じじいーっと見てやる訳だ。
あ?爺じゃねえよ。オマエ結構命知らずだよな・・・。
そうそう、そんでな。見続けるワケよ。メシ喰ってる時も煙草吸ってる時も。
でも風呂で一緒になった時はあんまり見てるとぶっ殺されそうになるから気を付けろよ。
え?風呂なんかで裸をじっと見る訳ねえだろって?
誰が裸っつったよ。顔とか眼とか背中とかそーゆートコを何となく見るんだっつうの、イヤだから風呂場では見るんじゃねえって。
お前も先刻言ったろ?裸なんか見ねえって。露骨に物欲しげにしねえのがポイントなワケ。
・・・で、どうな訳ヨ実際。
三蔵と風呂入ったって見る気もしねえ程見慣れてんだろうが。
って事はつまりだ、お前は三蔵と飽きる程一緒に風呂入ってるって事だろうがよ。
ああ?髪洗ってもらった?
体洗ってくれた?
パジャマ着せてくれた?
ふ・・・ふふン、ま、まだまだお、お子様だな。
とにかくそんな訳で今だったらどんなムリ目のおねーさんでも楽勝っつう気がすんのよ。
ホラ、例えばあそこの隅っこに座ってるヒトな。ああ?てめえの好みなんか聞いてねんだっつの!
俺様のあっつううい視線をきれーな横顔にじっと注ぐ!
おねーさんが振り返る。
一瞬目を逸らす。
ホラ、だからじろじろ見るんじゃねえって!
いっか、こーやってだなおねーさんが視線を戻した所でも一回じっと、情熱的に見る!
するとおねーさんが振り返る!ホントだって。
お、ホラホラ。
ゲット!
やっぱ俺って眼から超強力ラヴビーム出てんじゃねえのかなー・・・、ははっ、ま、そゆ事だからちょっと消えるわ、先帰ってろ。
・・・あ?俺とこの店にいるってさんぞーに言っちゃった?
そんなもん店に来る前にはぐれたとでも言っとけ!アドリブきかねえサルだな、ん・・・?
げ、さんぞ。
あ、あろは〜とか言ってみたりして。
えと、これはその。宿までの道忘れちゃって行き方聞いててさ・・・てめえは黙ってろっつうのバカ猿!
あの、三蔵?
何か言えよ・・・・・・なあ、おい?
・・・・・・おい?
な、顔上げて?
てめえは見んなっての!
あっ、おい待てって!
「あっ、お客さんお勘定!」
ち・・・っ、サル、これで払っとけっ!
バン!ばたばたばた・・・。
「・・・えっと・・・。メニュー、こっからここまで全部。」