swept over
繰り返す啄むような口付けに、物足りないとばかりに三蔵が唇を開く。 唇を押し付け合ってぴったりと重ね、口内を互いの舌で探り合ううちに上がって来る息。 もどかしげに張り付いた身体の間に手を差し込んで三蔵の指が器用に俺のシャツのボタンを外し始める。一つ、二つ。 三蔵がボタンを全て外し終えた処でお返しとばかりに三蔵のシャツのボタンに手を掛けて脱がせると、 いつもはひんやりとしている三蔵の膚は既に汗ばんでいた。勿論乱暴に脱ぎ捨てた俺のシャツもしっとりと汗で濡れている。 このクソ暑い季節にこれからもっと汗をかくような事をしようだなんて、なんて酔狂な俺達。



膚を舐め上げる舌に残るしょっぱい味。 俺に縋り付いて首筋に顔を埋めている三蔵もきっと同じ、口内に俺の汗を含んでいる。
ぴったりくっつき合う事で更に上がる互いの体温。面白い程にどんどんと高まる熱。 発熱機か何かが体内にあるんじゃないかと思う位にカラダが暑くてしょうがないのに繋がっている部分はもっと熱くって。
止めどなく汗が零れて暑くて暑くてどうしようもない筈なのにその不快な暑ささえ気持ち良くて。
俺の事を締め付けようとする腿に手を添えて、ぐ、ぐと何度も腰を動かして秘められたその場所を抉る。 膝を押してその脚が胸に付く位までに折り曲げさせてやろうとするのに三蔵は身を捩るけれど逃がしてなんかやらない。 何時になったら終わるんだか分からないくらいゆっくり捻じ込んで嬲りながら、 時折乱暴に動いて奥深い処までを突いてやるとびくんと白い脚が跳ね上がり汗が膚を伝う。
「スキ。スキ。あんたの事が、スキ」
終わりたくなくて、離れたくなくて、 怒張した俺自身を何時までもあんたの中に埋め込んでいたくて殊更にゆっくり動きながらまるで酔っ払いの譫言のような台詞を吐く。
「あ・・・っ、てめ・・・調子の良い事抜かしやがって・・・」
頬を紅潮させた三蔵が切れ切れにそんな事を言う。
「ん?」
「誰にでも、言ってんだろうが・・・っ」
「んな事はねえよ」
なんでこんな時にそんな事言うかなアンタ。
「好きで好きで、どうにかなっちまいそう」
呆れる代わりに三蔵の指を軽く握り指先に音を立てて口付ける。それからその指先を俺と繋がっている部分に導いて。
「ホラ・・・分かる?アンタん中で俺の、こんなんなって」
つ、と指を動かしてやると自らの指で張り詰めた部分をなぞる三蔵が堪えきれないように吐息を零す。
三蔵の指を逃がしてやらない侭腰を引けば繋がった部分が窄まり俺を体内に留めようとみだりがましく蠢く。
「離れたく、なくて」
溜息のように吐き出した俺の台詞に三蔵は必死に頚を振るが、緩やかな刺激では物足りないとばかりに無意識のうちにだろう、 腰を揺らめかせる。繋がった侭で三蔵の脇の下に両腕を入れてその身を抱え上げる。
「ちょっと、我慢してな」
「ク・・・っ」
俺の脚を跨ぐように座らせると、いつもより深い処まで俺のモノが入り込んで行く。 その感覚に悦ぶように三蔵が俺をキツく締め付ける。
「ちょ・・・、キツ過ぎ」
力抜いて、と言うのに俺の両肩に手を置いた三蔵は返事代わりに色っぽい声と共に背中を仰け反らせる。 どくん、どくんと脈打つ、三蔵の体内。堪らずイキそうになって何とか堪える。
「ああ、ったく・・・」
乱暴に三蔵の痩身をかき抱いて下からがくがくと突き上げる。
「ごじょ・・・っ、もっと、ゆっくり・・・っ、ア、アッ!」
「・・・んな色っぽい声でナニ言ってくれちゃってンのよ」
無理だって、と言いながら腰を揺さぶるとびくりと全身を跳ね上がらせてから三蔵が両手で俺の頬を挟んで口付けて来る。
「ハ・・・、ッ」
「ん・・・」
突き上げられる度に衝撃で唇が離れ、再び襲いかかるように三蔵が唇を重ねる。 三蔵の躯を嬲る度にくっつき合った唇が離れては互いの唇の間に唾液が糸を引く。 零れる唾液を拭い取る事もない侭上下で奏でられる、濡れた音。
何度目かの口付けに合わせて堪える事を止める。
「ふ・・・、んんっ、」
離れそうになる唇を今度は俺が三蔵の頭を抱え込んで離さないようにし、 口唇を重ね合った侭三蔵の体内に体液を溢れんばかりの勢いで流し込むのと同時に、三蔵の放った白濁が俺の腹にかかる。
「・・・上等」
ぺろりと舌を出して唇を舐め、三蔵の中に自分のモノを収めた侭に起き上がって三蔵の肩を乱暴にシーツの上に縫い付ける。





汗の引かないカラダを冷房で無理矢理冷ましながら二人してだらりとベッドの上に寝転がる。
「・・・なあ、何か良い事でもあった?」
「ああ?」
気怠く枕元の煙草に手を伸ばすその仕草までもが色っぽい三蔵が、然し色気のカケラもない覚めきった声で問い返す。
「だってあんたスゲー積極的で・・・って!何で殴る!」
「きっ、貴様がおかしな事を言うからだろうがっ!」
ぶるぶると拳を震わせる三蔵は真っ赤な顔をしていて。ああ、成程無意識だったワケね、と俺は口元に笑みを浮かべる。 あんなノリノリで自分から腰を動かしていたクセに。
「ああ、駄目だ汗が引かねえ・・・シャワー借りるな」
「そうだな・・・」
だらだらと汗の零れる額を豪快に腕で拭いながらむくりと起き上がって床に脚を着ければ、遅れて三蔵も身を起こす。 それって一緒に風呂に入るってコト?
「ナニ。お風呂えっちのお誘い?」
「ふっ!ふざけんなっ!」
怒鳴るが早いか三蔵はシーツを胸元に引き上げて壁際まで後退する。 そしてシーツからはみ出した骨っぽい脚を慌てたようにばさばさと布を引っ張って隠す。
そんな事したってもう、何処もかしこもアンタの身体なんて全部見ちゃってるのに。
・・・あんたソレ、誘ってんじゃなくて本当に天然なの・・・?
「あんた、ほんっとに可愛いな」
ぷっと吹きだしながら告げると途端に枕が顔面を直撃する。その上、二度三度と頭をぼこすか殴られる。
「こっ、このバカ!アホ!ヘンタイ!エロ河童!!」
赤い顔で尚も怒鳴り続ける三蔵に、笑いながら俺は風呂場へ退散する。つうかエロ河童ってのはナニよ。
ぬるいシャワーで適当に汗を洗い流しながら、三蔵は時々おかしな事を言う、と考える。 照れ隠しにしたってエロ河童はあんまりだろう。
俺がエロ河童ならあんたはエロ蔵だ。
大体三蔵のヤツは服の脱がせ方からしていやらしい。 その指でボタンを外しシャツをはだけさせては顕わになった俺の膚に唇を寄せ、 幾つもないシャツのボタンを全て外し終えた後はベルトを外しジッパーを降ろし、躊躇いもなく俺のモノを口に含んで。
「ほんと、やーらしい・・・」
口に出してみると先程迄の行為を思い出してしまい再び下半身にずくりと熱が集まり出す。
続く。

novel−パラレル