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2月14日の夕方の事でした、彼らに出会ったのは。 こんな日に予定の空いている寂しい友人A子と仕事帰りに落ち合って、カフェでお茶を飲んでいた時です。 出会ったとは言っても一方的に私達が見ていただけで、彼らは私達に見られていたのに気付いてはいなかったと思いますが、 私達より少し後にやって来たサラリーマンの二人連れがいたのです。 その人達は、どう見てもまっとうな会社員っぽい、 つまり紫だったりラメラメだったりする、危険な職業の人達が好む色合いのものでない、と言う意味です、 地味なビジネススーツを着ていました。 ただ、何と言うか・・・普通のサラリーマンではないような、ええ、二人とも俳優やモデルのようにすらっと手足が長くほっそりしていてとても素敵だったので、 ずっと、こっそりと二人の様子を横目で伺っておりました。 「、ぐふ」 「だいじょぶ?」 いきなり噎せた私に苦笑しながらA子が尋ねます。 「こっそり見てね」 口元を拭いながら声を顰め、目線だけで方向を指し示します。 「あそこのテーブルの二人、さっきチョコらしきもの交換してた」 「はあ?」 ちら、とA子が振り返りますが私が先程見た意味深な包みは既にテーブルの上から消えていました。 「何もないよ」 「だから一瞬で仕舞っちゃったんだってば」 「見間違いじゃない?」 「間違いないね、きっとチョコだよ絶対そうだよ」 言えば言う程先程見たものがチョコでない筈がない、と言う確信へと変わって行きます。妄想とも言うかも知れません。 「そんなバカな。モテない男子だったら非モテ同士で見栄チョコの交換くらいするかも知れないけどさ」 再びA子が二人の席をちらりと振り返ります。 「イケメンだよ、ありえない!」 「イケメンでもフラれた直後かも知れないじゃん!」 「声が大きいよ!」 A子にたしなめられ、はっとするものの幸いにも二人はこちらには気付いていないようです。 「でもあんなイケメンを振るってそんなバカな!しかも二人も!!」 A子は羨みの溜息を吐きながら光の速さで首を振っています。 「いや、振られたのは一人ずつでしょ・・・ってもしかして二股掛けられてた上に二人とも振られたのかも!」 「ヒドイ!」 「そうだね、それじゃ二人が可哀相過ぎる・・・じゃあ、イケメンを嵩に着て浮気し放題で彼女にバレてフラれた直後の二人が慰めあってんだよ!」 「それもヒドイよ!」 「でもきっとそうだよ。そうでもなきゃあんなイケメン二人が寂しくチョコ交換なんかする筈ないもん!」 「そっかー・・・悪い男なんだねえ」 「あんなイケメンなのにねえ・・・」 「昼のエレベーター」「くすぐる」「時計」の続きのようなもの。 お題ページ |