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会うのが何年振りなのかも判らなくなる程長い事会ってなかった母親と再会した日、
夜遅くに帰ったにも関わらず三蔵は起きて俺の帰りを待っていてくれた。 縋り付くように抱き締めてその身体を夢中で貪った。 手荒く扱ったつもりはなかったが格別に優しくも出来なかった、 そんな自分勝手な行為を三蔵は黙って受け入れてくれたのでそれでまた俺はどうしたら良いのか判らなくなった。 自己嫌悪にまみれた浅い眠りの中、この侭二度と目が覚めなければ良いのに、なんて思ったけれど自分自身の意識を裏切り健康的な空腹と共に目を覚ました。 『あー・・・』 気怠い気分の侭頸を巡らせてみれば、俺と同じように裸で布団にくるまっている三蔵がいて。 まあ、そういう事なんだろう。 ベッドの中で上半身だけ起こして、三蔵の寝顔をオカズに煙草をふかしているともぞもぞと三蔵が身じろぎして目を開けた。 「・・・喉渇いた。水」 「ハイハイ」 言われる侭にコップに水を汲んで戻って来ると、三蔵は不機嫌そうな表情を浮かべうつ伏せになって俺の煙草を吸っていた。 「ほら」 コップを差し出すとこちらを見もせずに三蔵が言った。 「行くぞ」 「あ?」 「お前が昨夜行った場所だ」 「・・・はは、それはちょっと」 脚が冷たい、とふと視線を下に下ろすと上向きに握っていた筈のコップが何時の間にか傾いて、コップの中身がどぼどぼと床に零れていた。 そんな情けのない俺の指に手を伸ばし、残り少ないコップの水を干して、三蔵が言った。 「俺が行くと言っているんだ」 そんな訳で手早くシャワーだけ浴びてから朝飯も食わぬ侭に地下鉄に乗って数駅、昨日と言うか数時間前に来たばかりの動物園に再びやって来た。 「夜の間は開いてなくって」 「あ、勿論昨夜も閉まっててさ」 「何でこんなとこで待ち合わせなんだろうな、ガキの頃にだって連れて来て貰った事ねえのに」 沈黙が怖くて一人でべらべらと喋っていると三蔵がぎゅう、と手を握ってくれた。 「・・・ホントは、会いたくなかったし会いたかった、怖くて逃げたくて、でも」 ほう、と溜息を吐きながらやっと本当の事が言えた。 「・・・今度、一緒に来ようぜ。ちゃんと開いてる時間に」 繋いだ手を確かめるように指を一本ずつ絡めながら開園前の動物園の正門を見上げる。 「パンダが来たらな」 それが三蔵の返答だった。 「深夜の動物園」「抱きしめる」「手紙」の続き。 これ書いた時はパンダが来るのもっと先だと思ってました。それにしてもパンダネタ好きだな私! お題ページ |