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ちり、と首から奏でられる高い音と共に手の中の小さな生き物はするりと身を翻して部屋を出て行った。
代わりに猫のようにしなやかなその人を抱き寄せる。 午睡から覚めたばかりのその人は未だ何処かぼんやりとしていて猫のように何を考えているのか計り知れない。 顔の両脇に手を突いてのしかかるようにしてその視線を遮ってみても他人行儀に俺の事を見ない瞳。 いつも瞳を逸らす事無く真っ直ぐ俺の事を見ていてくれるのに時折三蔵は気紛れな猫のように不意に興味を失ったかのように視線を逸らす。 隠し事をしている時だとか。
一気に距離を詰めようとすると呆れる程の勢いで逃げ出すクセに一度身を引いてやると視線を逸らした方が負けだとばかりにこちらを睨め付けて来る。 臆病なクセに負けず嫌いな猫を真似てにゃあと一言啼いてから唇を尖らせて啄むように鼻先に口付けると眼光を弱めくすぐったそうに身を捩り背中を反らせて逃げるように三蔵は床に転がった。 子供のするようなその仕草にじゃれつくように腕を伸ばす。





シャツのボタンを全て外しはだけさせた薄い胸に唇を這わせ赤く色付くものを執拗に唇で挟み込み固くなったそれに時折歯を立てると腕に引っかかるシャツを邪魔そうに三蔵は自ら脱ぎ捨てた。 もどかしげなその仕草に苦笑して白いシャツに良く映えていた洗いざらしのジーンズを太くもなく細過ぎもしない形の良いその脚から抜き取り床の上に放り投げた。 床板に直に当たる背中が痛くないのかと少し心配しながら裸の胸を掌でゆっくりと撫で上げる。 蕾に差し入れた指は意図的にゆっくり動かしながら三蔵のそれを扱き上げる指は追い立てるように少し乱暴に動かすとバラバラな動きに付いて行けないのか細い声を零しながら三蔵が背中を反り返らせる。 きっと肩とか肩胛骨とか直に床に当たってる処が痛いだろうに快楽に溺れている三蔵には既にそれは痛みですらないのか腰を浮かせて強請るように俺の指を深く呑み込もうとする。 充分に熱くなっているそれにひたと舌を這わせ先端の窪みに入念に舌を差し入れるとびくりと痙攣した後白濁した液が口内に飛び散った。 弛緩したその身体から指を引き抜いて飲み下しきれずに零れ落ちたものを指先になすり付けて入口を広げる。 キツくて熱いその入口は未だ狭くてとてもじゃないが実際にその中に入れた事が無ければ中に入れるなんて事は不可能に思える。 俺自身を埋め込んでいるかのように無意識に腰を動かしながらぐいぐいと指を押し込みながら中を掻き混ぜる。
「ん・・・、ううっ」
感じる所に指先が当たったらしく快楽を訴えてきつく締まるソコから指を引き抜こうとすると惜しむかのように三蔵の内壁が俺の指にぞろりと絡み付くのに笑みを零す。
徐々に馴染ませて突き入れた後の搾り取られるような快楽を知っている俺は少しずつ三蔵の中を押し開いて腰を進めて行く。 俺自身を包み込む肉壁はまだ先端しか呑み込んでいないと言うのにその先にある快感を予感させる程に心地良い。
「あ、あ、・・・っ」
まだ三蔵自身はヨクなってないらしく固く目を閉じた侭必死に首を反らして時折唇を噛み締めている。
「イイよ。あんたの中すげー気持ち良い」
煽る言葉で気を逸らして三蔵自身に触れる。
「あ・・・っ!」
びくりと震えて三蔵が腰を浮かそうとすると三蔵の内壁に当たる角度が変わり、ソレすらも刺激になったらしく三蔵が息を呑む。 その勢いを借りて自身を奥深くまで埋める。
「は・・・、あッ」
ひゅうひゅうと忙しなく呼吸しながら零れる声は普段の三蔵のそれとは全く違ったものだ。
何を考えているのだか分からない先程までの遠くを見ていた瞳が今は快楽に濡れて自分だけを映し出している事に満足して自身の欲する侭に三蔵を貪る。 速いペースで出し入れされるのに動きを合わせる事も出来ず翻弄されるように切れ切れに悲鳴のような声を零す三蔵が自分の指を口元に運び声を抑えようとする。
「噛んじゃ駄目」
そう言って口元からその白い指先を取り上げる。
「んっ、悟、浄・・・っ」
声を殺す事も出来ず三蔵の好むペースとは違うリズムで揺さぶられ続ける事にアメジストの瞳を熱に潤ませながら弱く頚を振る。
声を殺さないで俺の与える快楽に溺れて。
余所見しないで俺だけを見てて。
自分以外のモノを見ている三蔵を引き戻すのにこんな手段しか取れない自分に苦い嫌悪を覚える。
乱暴に引っ張って閉めたカーテンはきちんと閉まりきっておらず隙間から床にまで伸びている日の光が三蔵の髪の先に落ちている。 床に広がる三蔵の金色の髪が太陽の明かりを受けて煌煌しく反射しているのがとても綺麗で侵してはいけないものを冒涜しているかのような罪悪感がちくりと胸の奥を掠める。
ふと動きを止めた俺の視線の先を辿るように浅く胸を上下させ光の元を追って三蔵が白い頚を逸らして窓を見上げる。
その苦しい筈の体勢の侭放心したように三蔵が視線を向けた先を自分も追ってみれば雲一つない青天の空が広がっていた。
白氷の続き。

HUSH and COOLに続く。

novel−パラレル