競馬パラレルSS その8



* * * その71 * * *

「行きなはれ」
純白の手袋が指し示す先は口頭窓口。
(*馬券は基本的にマークカードに書いて機械に入れるか機械の前に座ってるパートのおばさんに渡すかして購入するものですが、 おばさんに買い目を告げて買う窓口も若干あります)
「中山9レース、3連単で3−12−1と3−1−12と・・・」


「あーっ、間違えたっ!また書き直しだっ!」
「オイ、時間なくなるぞ。3連複にしとけ」
「イヤだっ!」
「三蔵はんも3連単ですか?」
「・・・・・・」(←違います)
「新しいマークカードは何やけったいやなあ。三蔵はんの分もうちが買ってきまひょか?」
「・・・てめえは自分で買ってねえだろ」
「あ、そうなの?」
「見ろ」
三蔵が顎をしゃくると口頭窓口にはヘイゼルの連れであるガトの姿があった。
「ぎゃははっ!買ってきてやるって、アンタ実は3連単の書き方分かんねえんだろっ!」
「・・・死になはれ」(図星ですか!)



マークシートが新しくなった頃。




* * * その72 * * *

「死になはれ」
「中山競馬場殺人事件・・・か」
恐ろしい事を言うヘイゼルの横で、何喰わぬ顔で煙草をふかしながら三蔵が言う。
「まだ死んでねえよっ!」
「ターフィー伝説殺人事件でも良いか」
「だから死んでねえって!」
考え事をするように暫し目を瞑り、目を開けた後三蔵は話し始める。
「引退した筈のターフィーが突如中山に現れ床に倒れ伏す。 かぶり物を外すと中には血みどろの男が・・・!勿論コレがお前だ」
「あんたってすげえ残酷・・・(涙)どうせだったらさあ、美人OLと温泉でご一緒する探偵とかにしてくれよ」
「競馬場に温泉があるか」
「ホラホラ、みちのく!水沢とか行けば温泉近くにあるって!今年は南部杯でも行くか?」



ターフィーと言うのは2003年一杯で引退した(笑・本当ですよ!引退式もあったんです) J○Aのマスコットキャラクターでした。出っ歯。現在のターフィーはサン○オとの共同開発されたもの。




* * * その73 * * *

コンビニに入りヤケに目立ったパッケージのその飲み物にふと視線を奪われる。
「・・・・・・」
そう言えば悟浄は新製品が好きだった。


「・・・やる」
「あ、何?コレくれんの?」
「いつも色々(変なモン)貰ってるからな」
「さんきゅー」
そう言って早速ストローをパッケージに突き刺した悟浄だが
「ぶは!」
次の瞬間吹き出した。
「!?」
「コレ、すっげー甘・・・つうかまんまな味ですげー・・・あんたもこれ飲んだ?」
大慌てで口の周りを手の甲で拭う(汚ねえ)悟浄にポケットに入っていた金貸しのティッシュを袋ごと渡してやりながら頸を振る。
「飲んでみ?」
「・・・どうって事ないだろうが」
差し出されたのを受け取り腹いせに一気飲みするが吹き出す程不味くはないだろう。
「うえー。しかも一気飲みしてるしい・・・」
そう言う悟浄の顔色がみるみる(と言っても飲み物の名称の事ではない)うちに先程飲み干した飲料の色のように白くなってきた。 この新商品の隠れた効果かも知れない。全く凄い飲み物が出たものだ。
「甘栗むいちゃいましたマロンオレ」



地域限定商品でしたスミマセン。




* * * その74 * * *

馬連だったら、或いは馬単だったら当たっていたのだ。 然し何度見ても自分の持っている馬券は1着、2着、4着で。 なまじ4着に来た馬が人気薄だっただけに余計惜しまれる。
「あああああ・・・・・・」
半泣きになりながらも最終レースに賭ける。一度は当てたい3連単。
2番、13番、14番と着順掲示板に馬番が掲示される。
「うわああああああっ!!」
俺の持っている馬券は13番−2番−14番。
「これ、コレッ!」
無我夢中で三蔵に外れ馬券を突き付ける。
「・・・3連複で買えば良かったじゃねえか」
同情の欠片も無い素っ気ない声で、そう言われた。



難しいです三連単・・・(涙)自信たっぷりに狙った穴馬が他馬(買ってない) に交わされて行くと思わず「ああーッ!」 と叫び声が出ます。




* * * その75 * * *

「今週の蠍座恋愛運1番だってー」
昼休みに同じ職場の女の子達がフリーペーパーを覗き込みながら歓声を上げるのに顔を突っ込む。
「ナニナニ?蠍座ラブ運良いって?」
「あっ、悟浄さんも蠍座ですかあ?」
「そーなの」
デコルテを強調したモスグリーンのトップを着ている、 細身ながらも胸の谷間がくっきりはっきり存在しているそのコが笑顔で見上げて来るのを気付かれないよう胸元に視線を走らせながら同じく笑顔を返す。
「ええっと、蠍座はあ・・・美術館や映画、コンサートなど、感性を磨ける場所が吉。だそうですよ」
「・・・・・・ええ?」
現在俺の気になる人ナンバーワンの座を占めているその人とは毎週末、会える事は会える。 が、場所はそんな知的な場所ではなく競馬場だ。 いや然し馬を見るのだって感性を磨いていると言えない事もない。
「星型のアイテムがラッキーアイテムだそうですよ」
「・・・そお・・・」



星形のアイテムって言うと額に星マークのあるター○ィー!




* * * その76 * * *

「ぼーっとしてる時って何考えてる?」
「何も考えてねえからぼーっとしてんだろうが」
「じゃぼーっと考え事してる時って何考えてる?」
「・・・(しつけえ)。仕事の事とかそんなモンだろ」
「それだけ?」
「しつこいぞお前。読み掛けの本の犯人当てとか今日の夕飯何にしようとかターフィーの事とかだ」
(ターフィー!?)←悟浄さん心の声



ぼーっとしてる時って考える事が思い浮かばないからぼーっとしてるんじゃないでしょうか・・・。




* * * その77 * * *

「んじゃ今は何考えてんの」
「ああ?シェルゲーム陣営が毎日王冠ステップに秋天狙うと言ってるが古馬相手に勝ったとは言っても斤量51kgで勝った位で何考えてんだとかカルストンライトオは例えラチ沿いをキープ出来たとしてもコーナーがあると失速すんのかもとか焼酎の 「赤童」のラベル見る度「赤河童」と読み間違えるのは何故かとか「ゴールドラッシュ3連単」 のCMはさんまじゃなくゴールデンサッシュ一族でも使えば良かったのにとか胡蝶蘭見る度ファレノプシス思い出すがどんな顔だったか全然覚えてねえなとかそんなもんだ」
「・・・・・・・・・・・・凄いな」
「別に凄かねえだろ。お前の方こそピースオブワールド!世界平和の為にボクらに出来る事はなんだろう、と考えたりしてんじゃねえのか」
「しねえよっ!」



三蔵がシェルゲーム動向気にしてるのはこのネタが私の脳内トレースだからです。




* * * その78 * * *

2004.10.3 スプリンターズS


「えーっと、カルストンライトオの父はウォーニングか。あ、サニングデールもウォーニング産駒。 この二頭馬連で買って『ウォーニングムスコ。』なんちゃって」
「・・・・・・」(←どう突っ込んで良いか分からない)



ウォーニングムスコ一点買いしたバカがここに。




* * * その79 * * *

「三蔵ってさりげにカルストンライトオ好きだよな」
「知るか」
5番の単勝馬券を手にした三蔵にそう話し掛けると視線も合わせない侭素っ気なく言われたが実は三蔵は滅多に単勝を買わない。
「カルストンライトオのドコが好き?」
「・・・顔」
「え!?」


カネトシガバナーとスエヒロコマンダーも好きです。



好きなんですどばーっと白い顔。一目見て親が分かるビッグテーストとか。




* * * その80 * * *

「ダ○スタのCMってさ、「ダビがスタ」だったっけ「ダビでスタ」だったっけ」
「知るか」
「少しは考えてくれたっていいじゃん・・・ダビでスタダビがスタ・・・「ダビがスタ」だったっけ・・・?」
「○ビスタダ○スタうるさいっ!こっちまで耳から離れなくなるだろうがっ!」
「あっ、「ダビでスタ」だっ!」



ダビスタやった事ありません。






競馬SS7

壁紙は元東京競馬場の誘導馬ステルスカフェ。 メインレース前に10R後のパドック周回して練習(この日昼休みはポニー演技があって昼練出来なかったので)。 この後パドック隅っこの集音マイク発見して不思議そうにじっと眺める姿が激可愛かった。

競馬SS9



novel−競馬パラレル