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競馬パラレルSS その9 * * * その81 * * * 「牡馬クラシックの三冠馬って全部言える?」 「ああ?・・・ナリタブライアン。セントライト。・・・そういやメモリアルイヤーに三冠馬が誕生するって去年騒ぎになったな (←時間稼ぎをしていると悟られないよう喋り)ミスターシービー。シンボリルドルフ。 ・・・まだ生まれてない頃の馬だったよな。・・・シンザン」 ***この時の三蔵の思考*** 「ナリタブライアン。セントライト」 確か10年毎にメモリアルがなんとか・・・いや違う確か三冠馬が誕生した翌年に三冠馬だ。 「ミスターシービー。シンボリルドルフ」 トキノミノルは二冠だ。トウカイテイオーも二冠。ハクタイセイ。ハクチカラ。メイヂヒカリ。 ハイセイコーも違う。ハイセイコーの父はチャイナロック。そうじゃなくて。コダマ。トキツカゼ。 古い事は古いがそんな大昔の馬じゃなかった筈だ。 「シンザン」 何度覚えてもまた忘れてしまう三冠馬5頭。三蔵は黙って考える派。 * * * その82 * * * 「全部で5頭か。全部言えてすげえな」(実は悟浄さんウロ覚えでした!) 「・・・フン。じゃあてめえはクラシック2冠馬を10頭言ってみろ」 「ええっ?何で10頭も?ネオユニヴァース。「帝王は皇帝を越えたか」トウカイテイオー。トキノミノル。 牝馬でも良い?」 「ああ」 「ベガ。マックスビューティ。エリ女(エリザベス女王杯)も入れて良い?」 「3歳の時ならな」 「えー」 「そうじゃねえと三冠馬と条件が同じにならねえだろうが」 「そっか。エアグルーヴって言おうと思ってたのになー。メジロドーベル。カネケヤキ。 マルゼンスキー・・・は違うか。スペ・・・じゃなかったセイウンスカイ。「夢のちょーとっきゅー」コダマ。 サニーブライアン。「スパルタの嵐」ミホノブルボン・・・あ、俺今何頭言った?」 悟浄さんは思考をぺろっと口に出す派。 * * * その83 * * * 「名前見れば分かるけどこのグラスワンダー産駒の新馬戦勝ったオースミグラスワンてさ、 デビュー戦なのに536kgもあんだぜ凄えなあ。 半姉がオースミハルカって事はデブなのは母系じゃなくグラスワンダーの血の所為なんだろうなあ」 「・・・デブって言うな!大型馬と言え!」 長期休養中なのですが休み明けにはまたでかくなって出て来る予感。 * * * その84 * * * 「いやでもさ、グラスだって太りやすい体質だったけど500kg台乗ったのは古馬になってからだったじゃん。 やっぱりオースミグラスワンってデ・・・」 「その先を言うなっ!」 スパアアアン!(新聞ハリセンで殴る音) 「ナニすんだっ!目を逸らさず事実を見据える事だって必要だろうがっ! グラスは冬になるといつもぽよぽよに太ってたからきっとオースミグラスワンも寒くなるとデ・・・」 「言うんじゃねえっつってんだろ!」 きっと休む度にコロコロに・・・。 * * * その85 * * * 愛の差は天気で如実に現れる。 「なあっ、今週秋天行くだろ?」 「雨だから行かねえ」(←乗り気じゃない) 「雨ったってきっと大した降りじゃねえよ。ダイジョーブダイジョーブ」 「秋雨は冷てえんだよ」(←ちっとも乗り気じゃない) 「馬だって裸で走るんだからへーきだって!」 「俺は平気じゃねえんだよっ!」 悟浄さんはアドグル出走なので行く気満々。 * * * その86 * * * プルルルル・・・がちゃ。 「三蔵、おはよーっ!」 「・・・朝っぱらから何の用だ」 「起きてる?外見てみ?雨上がってるの分かる?」 「・・・それがどうした」 「秋天行こ」 「・・・てめえ・・・府中は遠いから行かねえっつってんだろ」 「遠いったって俺んちと大して距離変わんないじゃん」 「冗談じゃねえ。この寒いのに」 「今日最高気温20度まで上がるって。雨も止んだしさ。先行ってるから着いたら電話して?」 「行くとは言ってねえだろっ!」 「あ、電車来た。じゃあな」 がちゃ。 「・・・・・・(怒)」 数十分後、府中にて。 「そだ、新聞見して。柏木集保の狙い目はナニ?・・・あ?何で今週に限ってサンス○なの!?」 「うるせえ」(←地元の駅のキオスクで買った為競馬新聞を買えなかったらしい) 「あ、水戸万遊記はアドグル軸だっ!」 「返せっ!」 「いーじゃん少しくらい。えーと、対抗がナリタセンチュリーで注意はダンスインザムード?ふんふん」 そして運命の15時40分。 アドマイヤグルーヴ軸の馬単馬券を手に男泣きする悟浄の姿があった。 いやでもアドグル凄かったですよね! * * * その87 * * * 「大井にヨンサマがいるくらいだからセカチュウって名前の馬がいても良いのにあ」 「いや、どうせだったらセカイノとチュウシンの二頭セットにした方が良い」 「あー、同じ馬主の馬でな。マチカネワラウカドとフクキタルみたいな」 「マチカネセカイノ」 「マチカネチュウシン。マチカネがダメならタイキとかメジロとか・・・メイショウ・・・はダメだし」 「カルストンもダメだ」 「カルストンセカイオとかって良くねえ?」 実は息の合っている二人。 * * * その88 * * * 「悪いな急に呼び出して」 「何の用だ」 暖冬と雖も夜の10時近くともなれば流石に少しは寒さがこたえる。 然し吐息が白くなる事は、未だ無い。 呼び出され不審そうな返事を返したもののそれでも指定される侭駅の改札前で、三蔵は悟浄が来るのを待っていた。 「なあ。覚えてる?昔はスプリンターズSって12月だったじゃん。 で、「真冬の電撃6ハロン!」って言ったもんだったけど最近は9月で間が抜けてると思わねえ?」 改札を通り抜け駅の階段を下りゆっくり話ながら悟浄は煙草を銜える。 「ああ?」 「昔はさ、秋のGIつったら年末までノンストップ10週連続開催だったよな」 晴れてはいるが街の灯りが明る過ぎて星の見えない夜空を悟浄は振りあおぎジャケットのポケットに手を突っ込む。 「それがどうした」 「だからさ。10週連続GIに比べたら今の中休みの入る開催日程なんてどって事ねえよな?」 ば、と三蔵の目の前に差し出されたものは「のぞみ」の往復チケット京都行き。 「日曜のエリ女行こ。日帰りで朝早いから遅刻すんなよ!」 「・・・・・・勝手に人のスケジュールを決めるんじゃねえよっ!」 競馬ファンはこのように時として異常にマメです。 * * * その89 * * * 「さんぞ、金くれ」 ひらと悟浄が手のひらを上にして三蔵に手を差し出す。 最終レースが終わり払い戻し金を手にした後の京都競馬場。 「あ?」 「今日の新幹線代」 「・・・てめえが勝手に買って無理矢理連れて来たんじゃねえか。俺は払わねえぞ」 「ちょっと待てっ!のぞみだぞ!?こだまじゃねえんだぞ!?」 「てめえはメインレースの単勝獲ったじゃねえか」 「だって330円しかついてなかったのヨ!?あんた馬連当たってたじゃん!!」 「そんな事は知らねえな」 喜んでいる悟浄さんには悪いですがアドグル鞍上が武○でさえなければ・・・! * * * その90 * * * 「オースミの馬主って名前のストックそろそろ尽きたんじゃねえのかなあ」 ほら、と悟浄が差し出した○ALLOPのページには2歳馬の名前。 「オースミダンスイン・・・」 その牡馬の父の名前はダンスインザダーク。 「オースミグラスワンだって父グラスワンダーだし」 「キングヘイロー産駒だとオースミキングヘイか?」 自分で言って思わず三蔵は顔を蹙めた。 「あーっ!ってコトはオースミハルカって今年デビューだったら「オースミフサイチコ」!?」 オースミハルカ、その父の名はフサイチコンコルド。 「・・・オースミハルカ危機一髪ってカンジだな・・・」 危ない所でした。 競馬SS8 背景は中山競馬場の誘導馬ブラーボウォモ(でかい!)。 競馬SS10 novel−競馬パラレル |