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競馬パラレルSS その13 * * * その121 * * * 「そお言えばさ、先週の○ーパー競馬で細純も帽子被ってて可愛かったな」 「そうか?」 細純こと細江純子、元JRA所属のジョッキーは引退した後も競馬界から離れず、現在は時折レポーターの真似事をしていた。 普段は帽子など被っていないのだが先週は3歳牝馬の祭典オークスだからだろう、 衣装に合わせた淡いベージュ色の帽子を被っていた。 「俺もたまには帽子被ろうかな。これから暑くなるし」 「・・・イイもんが売ってるぞ」 そう言って小さく笑いながら三蔵が煙草を挟む指先で示した先はターフィーショップ。 馬ヅラの一見ヌイグルミのような帽子が確かにそこには売っている。 「いや、アレ帽子じゃなくかぶりモンだろ」 まだダービーの日です。まあ何つうかパーティグッズのような色モノです。 * * * その122 * * * 「今日は宝塚のファン投票も書かないといけないから忙しいなあ」 どうにか空いているベンチを発見して座り、インフォメーションで貰ったファン投票用紙を膝の上に乗せて眺めながら赤ペンを前歯で噛む。 「10頭も選ぶの面倒くせえ・・・」 「知ってる?コレね、馬名書かなくても番号だけで投票出来んだぜ。面倒だったら適当に番号書いちゃえば良いじゃん」 「断る」 「あっ、票余るなら俺のイチオシ馬に投票してよ!アドマイヤグルーヴ!イントゥザグルーヴ!サムライハイート!」 「オープン馬じゃねえのが2頭混じってんだろうが!」 最近まで番号だけで投票出来る事を知りませんでした。そしてまだダービー。 * * * その123 * * * 「なあ、人も多くなってきた事やし内馬場に行かへん?」 ダービーデーの府中。「三冠確実」と言われている噂の無敗馬を一目見る為に、 普段競馬など嗜まない人間までもが押し掛けて場内は混雑していた。 「そうだな・・・」 「この分だとメインレースの馬券買うのに相当並びそうだし、空いてる場所へ移動した方が良いかも知れねえな」 「内馬場は薔薇のアーチもあって今の時期ごっつうええカンジですのや」 「障害コース開放になってるからゴール前が良く見えるしな」 「場所取りするのか」 「いや、パドック映像見たいから他ん所でパドック見てレース前に移動で良いんじゃねえの」 「分かった」 「薔薇園もあるしロマンチックやわあ・・・って、三蔵はん薔薇は・・・ッ!?」 薔薇のアーチは薔薇のお陰で日陰になるので、 GIデーには早い時間に行かないと通り抜けも出来ない位びっしりと埋まってしまうんですよヘイゼルさん・・・。 * * * その124 * * * 「宝塚記念ファン投票のプレゼント、ナニ応募する?」 「○ーフィー50の抱き枕・・・?何だこりゃ。こんなのいるか」 「菊花賞の特別席とか良くねえ?ディープインパクトの三冠達成を目の前で見られるかも知れないし」 「旅費は自分持ちだろうが」 「まー良いじゃん。じゃあ三蔵は秋天の特別席応募してね、俺が菊花賞の方申し込むから」 「クオカードで良いじゃねえか、使えるし。俺はクオカードで申し込むぞ」 「そんなっ!!(泣)」 「ふふっ、ええ事を聞きましたわ。うちが菊花賞特別席を当てて三蔵はんを誘って一緒に京都競馬場に出掛ければ良いんや。 ガト、分かっとるな。あんたも菊花賞特別席で応募や」 「・・・・・・」 ファン投票のプレゼントを狙うより○RAカードに加入して指定席を申し込んだ方がまだ確率は高いのでは、 と思ったが口にはしないガトだった。 この4人の誰一人として景品は当たらなかった模様。 * * * その125 * * * 「宝塚タカラヅカ。アドグルが勝てそうなメンツが出ると良いなあ。ゼンノロブロイは書いちゃダメ」 「言われなくたって書かねえよ。俺が票入れなくたって出走が確定してるような馬」 「あー、でもコスモバルクは書いても良いよ」 「コスモバルクは書いても無効だぞ」 「え、嘘ッ!」 「中央の所属じゃねえだろうが」 「だって有馬には出走してたじゃん!!」 「それでも票は無効だ。知らなかったのか」 2005年宝塚ファン投票時まで私も知りませんでした。 「皆の声援がJ●Aを動かす!」みたいに、中央所属でなくとも得票数が多ければ出走出来るものだと思ってました。 そしてここまで2005ダービーデーの話でした。長い。 * * * その126 * * * 「宝塚はどうする?」 「・・・阪神まで行くんじゃないのか」 「イヤ、そこまではしないって。PATで買っちゃう。三蔵は?」 「オレもPATだ」 「そか。あのさ、今度は三蔵がオレんち来ない?」 「あ?」 「ホラ、春天、一緒にテレビ見たじゃん」 「・・・いいトシした大人同士でテレビ見て行けだの差せだの叫んでたらおかしいじゃねえか」 「手土産はメロンで良いから」 「ざけんな」 「当たった方が晩飯奢りな」 「お前な・・・」 「メロンじゃなくて良いから」 「水饅頭だ」 「え?」 「水饅頭。てめえが用意しとけ」 「・・・・・・・・・おっけー」 水饅頭と言うのはアレです。クラゲみたいなスライムみたいな。 * * * その127 * * * 「ああ、あっついわあ。今年は暑くなりそうやね」 ぱたぱたと団扇で扇ぎながらヘイゼルはテレビのスイッチを点けた。 「これで今年の前半も終わりでいよいよローカル開催やね。ああ、三蔵はんと一緒に新潟か札幌に行きたいわあ」 「・・・・・・そうか」 「そうや、豪勢なホテルのおもてなしで誘えば・・・!!」 いそいそとるるぶを捲り始めたヘイゼルの指がぴたりと止まった。 「どうした、ヘイゼル」 「うちとした事が三蔵はんの連絡先を知らなかったわ・・・。こんなローカル開催の時期に府中や中山に来はる筈もないし・・・」 「・・・玄奘と言う姓は珍しい・・・」 「そうか、そうやね。電話帳に載ってるかも知れんな。ガト、はよ持ってきい」 「・・・・・・ああ」 地方遠征のお供、るるぶ。 * * * その128 * * * 「○原アナは○崎先生が当たった途端一緒に飲みに行くのが当然っつう発言してっけど、仲良いな」 「立場上断れねえんだろ」 「そうかなー。つうか○崎は○原アナ気に入ってるよな。 まあオンナの人も好きみたいだから別にアヤシー関係っつう訳もないだろうケド」 むぐむぐ。 三蔵は腕を伸ばして最後の一つの水饅頭をほおばる。 「・・・・・・・留守だ」 「ああっ、そんな三蔵はん、一体何処へッ!?ま、まさかあの赤毛はんと一緒に阪神競馬場へ・・・!?」 2005.宝塚記念後。 最後の一つとか書いてありますが例えば6つ入りだったら三蔵が5個食べる、位の配分です勿論。 * * * その129 * * * 「迷うなー」 「本当にな」 産経賞オールカマー。例年決め手に今ひとつ欠ける、好走はするものの勝利に少し遠い、所謂イマイチ馬が多く出走するこのレース。 そして今年の出走メンバーも例年同様だった。 「一番人気ヴィータローザってどーよ」 「前走勝ったからだろ」 「確かにこのメンツの中で最近めぼしい勝ち星ある馬って他にいないしなあ」 「然し尻っ撥ねが酷いな」 「一番人気なんかイヤイヤって意味じゃねえの」 「・・・それはナイだろ(多分)」 人気になるとボロ負けし、人気が落ちると好走する薔薇一族。 * * * その130 * * * 2005.神戸新聞杯後 レースのリプレイも終わり、次のレースのパドックがモニタに映し出される頃、漸くほうと感嘆の溜息を吐いた。 「ディープインパクト凄かったなー」 「ストーミーカフェは案外粘れなかったな」 「ローゼンクロイツ買い足しておいて良かったー。やっぱGIIだと好走するな」 「距離が長いのかも知れないな」 「後は本番、距離がどうかだな」 「これからは短い処に路線を変更するのかも知れないな」 明暗分かれたレース後。同じレースの感想言い合ってるのに話が噛み合ってません。 競馬SS12 背景は福島の誘導馬オンワードホワイト。 競馬SS14 novel−競馬パラレル |